Q)久しぶりに歯医者さんに行ったら、
歯ぐきが下がったところに虫歯ができていました。
こんな所に虫歯ができるなんて想像もしませんでした。
A)虫歯というと歯の噛むところにできると思われがちですが、
歯ぐきが下がり、露出した歯の根にできる虫歯もあります。
「根面う蝕」と呼ばれ、いま多くの患者さんを悩ませています。
えっ、歯の根元に虫歯が?!
歯ぐきが下がって露出した歯の根にできるむし歯。
これがいま、多くのシニア世代のお口で問題となっているのです。
歯に訪れる、意外な危機
新築のマイホーム。毎日欠かさず自分でお手入れをして大事に大事にしてきました。
おかげで築50年近くたった今も、傷んだ部分はなくピカピカです。
でもそのマイホームに思わぬ危機が。
なんと土台が気づかぬうちにシロアリに食い荒らされていて、
このままだと倒壊しそうなのです。
これと同じような事が近年、50代以上のシニアのかたの
お口に見られるようになってきています。
歯の噛む所は虫歯になっていなくても、知らないうちに
歯の土台=歯の根がむし歯になり、歯に倒壊の危機が訪れているのです。
歯周病や加齢などにより、歯ぐきが下がって
露出した歯の根にできるむし歯を、「根面う蝕」と言います。
最近の疫学調査では70代の65%、
80代の70%がなっているといわれるほど増加しています。
歯の根面にできるむし歯は、せっかく残せていた歯を失いかねない怖い病気です。
しかも、歯の噛む所にできるむし歯とくらべて非常に厄介です。
自覚症状がほとんどなく、患者さんが気づかないうちに進行しやすいうえ、
虫歯ができる場所が場所だけに治療もしづらいため、歯科も対応に苦慮しています。
そのためにもお口の定期的な検診はとても大事なのです。