何が違う？歯科医院の歯磨き粉について

私たちは、歯周病予防のために毎日歯を磨いていますが、その際にほとんどの人が使用するのが「歯磨き粉」ですね。

歯磨き粉は、どこにでも売っています。ドラッグストアやコンビニ、ネットでも買い求める人はいるでしょうが歯科医院でも購入することができます。

値段もさまざまで、多くの歯磨き粉が色々な効能を謳い文句にしています。

今回は私たちがいつも何気なく使っている歯磨き粉についてのお話です。

歯磨き粉は使わなくても大丈夫

まず1番大事なことですが、歯磨き粉を使わないで歯磨きをした時、その歯磨きには虫歯予防や歯周病の予防の効果はないのでしょうか？

全く問題ありません。

歯についているプラーク（食べ物の残り滓）が虫歯や歯周病の原因にです。物理的にプラークを除去することが歯磨きの1番の目的になるので、歯磨き粉を使わなくてもなんの問題もありません。

では、私たちはなんのために歯磨き粉を使うのでしょうか？

歯磨き粉を使うと、歯を磨くときに泡が立ち、うがいの後には口の中にスッキリした爽快感があります。そして多くの場合、歯を磨いたという満足感を得るために使用することが多くなっています。

これらがとても歯を磨いた気にさせるのです。

本来は歯磨き粉に含まれている成分による効能・効果で、う蝕や歯周病を予防することが目的です。

代表的な歯磨き粉の効能・効果は

① 歯周炎（歯槽膿漏）の予防
② 歯肉炎の予防
③ 歯石の形成・沈着を防ぐ
④ 虫歯の予防
⑤ 口臭またはその発生の予防
⑥ 歯がしみるのを防ぐ
⑦ 歯を白くする
⑧ 口の中を爽快にする

などです。

これらの中で代表的なものは、「④虫歯の予防」でしょう。

この効能があるNaF（フッ化ナトリウム）は、もっとも多くの製品に含まれている成分ではないでしょうか。それでは、他の成分はどうでしょうか？

当然のことですが、ここにあげた効能・効果を全て含んでいる歯磨き粉は存在しませんので、歯磨き粉ごとに少しずつ効能が違います。

そして、人はそれぞれお口の状態が異なり、虫歯になりやすい人もいれば歯周病になりやすい人もいるので、NaF（フッ化ナトリウム）を含んだ虫歯予防の歯磨き粉を選んでも、歯周病になりやすい人には効果があまりありません。

では、どうすれば自分にあった歯磨き粉を選べるのでしょうか？

その人に適した歯磨き粉を選ぶ条件には、お口の状態はもちろん、歯磨きの技量も関係しています。一番確実なのは、通院している歯科医院で自分の口に必要な歯磨き粉を選んでもらうことです。

本人以上にそういう情報を把握しているのが、通院している歯科医院の衛生士です。

歯科医院で買うのは、他所で買うよりも少し高くつく時もありますし、自分の口の中を知り尽くした専門家から本当に必要な製品を選んでもらえると考えたら、その価値はあるのではないでしょうか。