そもそもなぜ歯を抜く必要があるのか?
患者さんがご来院されて「歯をなるべく残したい。抜歯せずに治療は可能か?」という質問をよくされます。抜歯をせずに治療ができる場合もありますが、状態によっては抜歯をした方がいい場合もあります。
それは、重度の歯周病の場合です。歯周病治療を適切に行えば、炎症が抑えられ状態が改善することもあります。しかし、歯周病が重度まで進行すると、他の歯に対しても悪影響を及ぼします。
重度の歯周病は周りの骨を溶かす!
歯周病を放置すると、歯がグラグラするようになり、やがて自然に抜けます。歯がグラグラしてきた原因は、歯周病が歯を支える骨を溶かし始めたからです。
さらに、その歯の骨だけでなく隣り合う歯の骨も溶かし、周辺の歯にも悪影響がでます。ここまで進行すると、噛む機能もなく周囲の歯に悪影響を与えるだけなので抜歯したほうがいい、という判断になります。
また、歯を失った箇所にインプラント治療を検討している場合、インプラントを癒着させるための骨が必要になるため、骨を残すために歯周病が進行した歯を抜くこともあります。
まとめ
タイトルの答えをお伝えすると、歯を抜かない歯医者が良い歯医者とは限りません。歯を残したい、という患者さんのお気持ちも理解できます。
しかし、歯周病が重度まで進行すると、口の中全体のことを考え、他の歯を残すために抜歯が必要な場合があります。抜歯の必要がある、と判断された場合は医師の説明を聞き、納得したうえで処置を行いましょう。