「歯が痛いよ!」
歯の痛みを知らない人は幸せだ、とか、歯の痛みは人生最大の苦痛だ、とかいう話を耳にすることがあります。実際に歯が痛いと、夜眠れなかったり仕事や勉強が出来なかったり、ご飯が食べられないだけではなく、生活に様々な影響が出てきてしまいます。
そもそもなぜ歯の痛みはこんなに強いのでしょう?
今日はそのことについてお話しします。
歯の痛みの原因
歯の痛みのなかで最も多いのは、虫歯による「歯髄」の炎症です。
「歯髄」とは歯の中にある組織で、身体のなかでも特に神経が豊富で痛みに敏感な組織です。
歯科治療において「神経を抜きましょう」とよく言われますが、
この場合の神経とは「歯髄」のことをさします。
痛みを伝える神経は身体のあちこちに張りめぐらされていて、痛みの信号を大脳に伝えています。
歯はその大脳にとても近いため、痛みを感じやすいとも言われています。
痛みを伝える神経にはたくさんの枝分れがあり、痛みの神経が興奮するとその信号は大脳へと伝わりますが、枝分れの部分から別の枝にも興奮は伝わります。なので周囲の血管は拡張し血液成分の一部が浸みだしてきます。
この結果、神経の周囲は赤くなり腫れてきます。
つまり、痛みが炎症をさらに拡大させることを意味します。
閉じこめられた歯髄
さて、神経の豊富な歯髄が炎症を起こすと赤くなり腫れてくるのです。
ですが歯髄の周囲には硬い歯の壁があるため外側に膨れることができません。
そのため、歯髄の内圧は高まり、この圧力は神経を刺激してますます痛みが強くなりますが痛みが強くなれば、またまた歯髄は腫れて圧力は高まります。
つまりまとめると、以下のようになります。
この終わりなきループによって、のたうち回るような痛みが引き起こされるわけです。
いかがでしたでしょうか?
痛くなってから来ても遅い、ということをどんな病気でも共通して言えます。
ぜひ皆さん、痛みが出る前に定期的に歯医者さんに行きましょう。