映画を診ていて「このキャラ、なんでこんなに歯が汚いの?」と思ったことはありませんか?
実は、それも映画のメイク技術の一つなんです。俳優の歯を汚したり、欠けさせたりすることで、よりリアルなキャラクターを作り出しています。
映画における歯のメイク技術!
映画では、次のような方法で歯を変化させることが多いです。
- 歯専用の特殊ペイント
歯の表面に専用の液を塗り、黄ばみや汚れを再現する技術です。『パイレーツ・オブ・カリビアン』の ジャック・スパロウもこの方法で独特な雰囲気を作り出しました。
- 特殊な義歯(プロステティック・ティース)
俳優の歯に被せる仮の歯を使い、虫歯や欠けた歯をリアルに演出する方法です。『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』のペニーワイズや、『マッドママックス 怒りのデス・ロード』のイモータン・ジョーの歯も、この技術で作られています。
- CG加工(デジタルVFX)
最近では、撮影後にコンピューターで歯の色や形を変えることもあります。『ホビット』シリーズでは、オークたちの歯がCGで不気味な仕上がりになっています。
俳優自身が歯を変えることも?
役に深く入り込むために、俳優が自分の歯に手を加えることもあります。
- クリスチャン・ベールは、『ザ・ファイター』の役作りのために前歯を削ったそうです。
- シャーリーズ・セロンは、『モンスター』での役作りのために歯に特殊なセメントを塗り、ボロボロの歯に見えるようにしたそうです。
映画の世界では、必ずしも「白く美しい歯」が求められるわけではありません。キャラクターの生き方や背景を表現するために、あえて「汚れた歯」や「欠けた歯」を演出することも、大切な映画作りの技術のひとつなのです。