コラム

COLUMN

舌がヒリヒリするときの原因と対処法

 

舌の先や舌縁がヒリヒリする」という訴えを臨床の現場で度々耳にします。

 

かくいう私も『舌が歯に張り付いてヒリヒリする』経験があり唾を飲み込むのも大変で、空腹を感じても食べる気にならず辛い時間を過ごしました。

 

舌がヒリヒリする症状には、いくつかの原因が考えられます。それぞれの原因に応じて対処法が異なります。

 

 

 

考えられる原因

 

①口内炎や小さな傷・・・熱い食べ物や飲み物、硬い食べ物による刺激でついた傷

痛みが特定の箇所に集中している場合、この原因の可能性があります。

 

②刺激物による影響・・・辛い食べ物、酸味の強い飲食物、アルコールやタバコなど

歯磨き粉やマウスウォッシュに含まれる成分(特にラウリル硫酸ナトリウム)が  刺激になることもあります。

 

③舌の乾燥(ドライマウス)・・・唾液分泌量の減少による舌の乾燥

ストレスや薬の副作用、シェーグレン症候群などが原因となることもあります。

 

④栄養不足・・・鉄分・ビタミンB群(特にB2、B12)・葉酸の不足

舌の痛みや炎症を引き起こすことがあります。

 

⑤感染症・・・カンジダ症(白い膜や斑点がみられる場合)やウイルス感染

風邪をひいた時や体調不良時に現れることもあります。

 

⑥アレルギー反応・・・食品・歯科材料・薬品に対するアレルギー

 

⑦心因性(ストレス)・・・明瞭な原因がなく、ストレスや疲労による影響

 

⑧その他の疾患・・・舌痛症(原因不明の舌の痛み)

糖尿病やホルモンバランスの乱れが影響する場合もあります。

 

 

 

対処方法

 

①軽度の症状の場合

・刺激物(辛いもの・熱いもの・酸っぱいもの)を避ける

・歯磨き粉を低刺激のものに変える

・唾液を増すために水分をよく摂り、ガム(砂糖不使用)を噛む

 

②栄養補給

・バランスの良い食事を心がけ、特にビタミンB群や鉄分を摂取する

・サプリメントが必要な場合、医師に相談しましょう

 

③市販薬の利用

・舌の炎症を抑える口内用ジェルやうがい薬を試す

 

④休息とストレス管理

・ストレスが原因と考えられる場合は、リラックスできる時間を増やす

 

⑤早めに歯科医院への受診が必要な場合

・症状が1週間以上続く

・舌に白い斑点や腫れがある

・強い痛みや痺れ、食事に支障がある

 

私の場合は、原因の③・④・⑦に心当たりがあったので、対処法の②と④を行いました。 加えて、舌のトレーニングに取り組みました。その理由は2つあります。

 

1つは、「舌の筋肉を鍛えることで舌が引き締まれば、歯に当たって擦れることが減少する。」もう1つの理由は、「舌をしっかり動かすと唾液分泌が促進される。」です。

 

行った舌のトレーニングは「あいうべ体操」。大きな口を開けて「あ・い・う」と言い、「ベー」と舌を思い切り下に伸ばす体操です。筋肉を意識しながら1日30セット。

 

水分をしっかり摂って、最初はゆっくり、何回かに分けて1日30回を目指しました。

対処法を3日実施した頃、舌の痛みは薄れ、5日目には消滅していました。舌の筋トレには、口呼吸の改善・脳の活性化・小顔効果・ほうれい線のシワ解消、血行を良くして新陳代謝を促進するといった効果が期待できます。

 

症状がなくても、「予防や活力アップのために毎日取り組む」ことをお奨めします。

 

以上、「舌がヒリヒリする」ときの対処法。お役に立てれば幸いです。