予防の常識 ①
✕ 虫歯になるのは甘いものをたくさん食べているから
↓
〇 「量」より「食べ方」が問題です
甘いものを控えているはずなのに、むし歯になってしまう。それは甘いものの「食べ方」に問題があるのかもしれません。飲食後、お口のなかでは、細菌の生み出す酸や飲食物の酸により歯の成分が溶け出し(脱灰)、その後、時間をかけて唾液が成分を歯に戻していきます(再石灰化)。
溶かす力が戻す力を上回る状態が長時間続くと、むし歯になっていきます。このとき、甘いものの「量」以上に、食べる「頻度や時間」が問題となります。ひっきりなしに甘いものがお口のなかにあると、唾液が歯を修復する時間が取れません。ですから、のどあめを絶えず舐めていたり、ドリンクをチビチビ飲んでいたりすると、むし歯になりやすいのです。
野菜ジュースやスポーツドリンクなど、ヘルシーなイメージのものに、意外に砂糖が入っていますのでご注意ください。
予防の常識 ②
✕ 歯周ポケットは歯ブラシできれいにみがける
↓
〇 歯ブラシだけでは落とし切れない汚れがあります
歯ぐきの溝のなかはプラーク(細菌のかたまり)が溜まりやすい場所で、溜まったプラークは歯周病の原因になります。そのため、この部分を歯ブラシで注意してみがいているかたも多いことでしょう。
ですが、歯ブラシでは溝のなかのプラークは完全に取り切れません。しかも、溝のなかに無理にブラシの毛先を入れてみがくことを続けると、歯ぐきが傷つきやせ、むし歯になりやすい歯の根面が露出してしまいます。
歯ぐきを傷つけずにきれいにプラークを取り除くみがきかたを、歯科医院で教えてもらいましょう。歯ぐきの深い溝や歯周ポケットのなかの掃除もお任せください。
予防の常識 ③
✖ 歯周病は歯を失う怖い病気↓
↓
〇 セルフケアと歯科のサポートで歯は残せます
「歯を失う怖い病気」というイメージが強い歯周病ですが、短期間で歯がグラグラになって抜け落ちてしまうことは普通ありません。統計的には、歯周病になりにくい人が1割、進行しやすい人が1割で、残りの8割の人はゆっくり進行していきます。
歯周病を予防するには、セルフケアだけでなく、歯周病の早期発見が重要です。早く異常がわかれば、そのぶん早く手が打てます。
そのためには、歯科医院で定期的に健診を受けることが大切。もし歯周病になっていて治療を受けたのなら、治療が終わったときが歯を守る新たなスタート地点です。再発を予防するために健診に通いましょう!
今回は、虫歯や歯周病の予防について、ありがちな誤解をまとめました。
お口の健康管理にお役立てください。