歯が抜けたところを補う治療には、
ブリッジや部分入れ歯、インプラントがあります。
なかでも
「健康な歯はあまり削りたくない」
「外科手術は気が進まない」
というかたに選ばれることが多いのが部分入れ歯。
部分入れ歯を初めて作ってもらうあなたに、
噛める部分入れ歯に大切な要素をお教えします。
幅広く対応できる部分入れ歯
部分入れ歯は、噛む力が伝わりづらかったり、
慣れるまでは使い心地に違和感があったり、
種類によっては留め金が目立つことがあります。
ですがその一方、対応できるケースが広く、外科処置が不要、
歯を削る量が少ないといったメリットがあります。
たとえばブリッジは、その構造上、
ダミーの人工歯を支える両隣の歯を大きく削ります。
また、体調的に外科手術に不安があるかたには、
インプラントは難しいでしょう。
そんなときに柔軟な対応ができるのが、部分入れ歯の利点といえます。
部分入れ歯の構造
どこの歯を失ったのか、何本の歯を失ったのかによって
設計は変わりますが、構成するパーツは共通しています。
まずは人工歯と義歯床。
人工の歯が、ピンク色をした歯科用プラスチックに植えられています。
歯を失った場所が左右にあるときは、
左右の義歯をつないだほうが安定します。
そのためのパーツが大連結子です。
それから、部分入れ歯の支えとなる歯にかかる留め金。
バネと呼ばれるクラスプのほか、レストや小連結子があります。
部分入れ歯は「動かない」
部分入れ歯にかかせない要素は「噛んだときに動かないこと」です。
噛んだときにグラグラ揺れたり、
浮いたり沈んだりしたら、食べづらいし痛いです。
それに、入れ歯が動いてしまいますと、噛んだときの力が
入れ歯からあご全体にうまく拡散されず、
入れ歯も残った歯も歯ぐきが傷んでしまいます。
部分入れ歯はいろいろなパーツがあるとご説明しましたが、
なかでも入れ歯を動かないようにするための立役者が、
レストとクラスプ、小連結子の3つです。
入れ歯ができあがったら
入れ歯ができあがってお口に入れると
「これでひと安心」と思われることでしょう。
しかし、入れ歯はまだ完成したわけではありません。
入れ歯が本当の意味でお口にピタリと収まるようにするには、
その後の調整が欠かせないのです。
もともと入れ歯は患者さんのお口を精巧に型取りしてつくられますが、
それはあくまでも静止した状態のお口。
食べたりしゃべったり、実際に使ったときに
入れ歯がどう機能するかを確認して、調整をする必要があるのです。
調整のためには2~3回ほど歯科医院に通っていただきます。
調製が終わったあとは、とくに痛みや不便を感じなくても、
定期的にメインテナンスに通いましょう。
クラスプがゆがんでいないか、義歯床にヒビが入ってないか、
残った歯に問題が起きていないかなどを、総合的にチェックしてもらえます。
できあがったあとの調整と、メインテナンスのための定期受診、毎日のお掃除。
それが部分入れ歯を快適に使い続ける秘訣です。